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ソイレント、COMP、All-in Pastaなど、完全食の違いと特徴

趣味に熱中しているとき、勉強に集中しているとき、仕事で疲れ切っているとき、シチュエーションはさまざまだと思うが、食事が面倒だと思ったことがある人は少なくないはずです。

一方で、空腹はつらいし、コンビニ弁当やカップ麺ばかり食べて、健康を損なうともっとつらい目にあうことはわかりきっています。

この矛盾する思いに解決策を提供してくれるものがあります。**完全食(完全栄養食品)**と呼ばれるものです。

完全食とは

完全食の公式な定義はありませんが、人が健康を維持するために一日に必要とする栄養を過不足なく摂取できる食品という意味で使われることが多いようです。

昔、卵や牛乳が完全栄養食品と聞いたことがあったような気がしますが、一部の栄養が摂取できないため、それれは準完全食という扱いになっています。

完全食なんて実際に存在するのでしょうか?実は存在します。

様々な完全食

ここ数年内で最初に有名になったのはソイレントでしょう。ついでヒュース、COMP、BASE PASTA、All-in Pastaといったものが次々に生まれました。

それぞれの特徴を紹介していきます。

ソイレント

概要

ソイレントは米国で誕生しました。

開発者はIT関係の事業で起業したが、うまくいかず徐々に経済的に厳しい状況になりました。

食事にかけられるお金がないため、ジャンクフードでしのいでいたようですが、そのせいで体調を崩してしまいます。

それをきっかけに人間に必要な栄養を考えはじめたことがソイレントの原点です。

名前がSF映画の「ソイレント・グリーン」を彷彿とさせることや2017年にカナダに対して出荷禁止になるということが起きたりと、何かと話題になっている製品です。

提供形態

  • ドリンク
  • パウダー

以前はスナックバーも販売されていましたが、食べた人が具合が悪くなるという事例が複数発生したため、出荷が停止されています。

価格

  • パウダー(オリジナル): 7パック(35食分) 64ドル
  • ドリンク(オリジナル):12ボトル 34ドル

ヒュール

概要

Huel(ヒュール)は英国で誕生しました。

創業者が取り組んでいた事業で立案した体をサポートする最高の栄養素を作り上げるプログラムをより簡単な方法て提供できないかと考えたことが開発のきっかけです。

BSc優等学位取得登録栄養士により製法が考案されており、低糖質、高タンパクで食物繊維が多く含まれるているのが特徴です。

保存期間が長く、梱包材からも廃棄物はほとんど生まれないため、食料廃棄物の抑制を実現しています。

また、全ての商品が100%ビーガンで、環境や社会に配慮した持続可能な素材から作られています。

提供形態

  • ドリンク
  • パウダー

価格

  • パウダー: 2バッグ(28日分)9,300円
  • ドリンク : 12ボトル 7,360円

COMP

概要

開発者は日本人で元医薬化学系メーカーの研究員だった方です。

自身が研究や趣味に没頭するために効率的に栄養を摂取できるものを作ろうと思ったのが開発のきっかけです。

販売開始は2016年と比較的最近。

開発者が日本人ということもあり、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」に準拠しているため、日本人に合った栄養バランスになっています。

低GI設計で、緩やかにカラダに吸収されるため、腹持ちが良く眠くなりにくいのが特徴です。また、腸内環境を整えることにも配慮されています。

「日本人の食事摂取基準」は少し古いデータをもとに設定されているのですが、それを改善するため2018年に製品のリニューアルを実施し、最新の栄養学を反映したものにバージョンアップされています。

提供形態

  • ドリンク
  • パウダー
  • グミ

価格

  • ドリンク: 6パック 7,800円
  • パウダー: 12パック 5,000円
  • グミ: 10パック 5,000円

BASE PASTA

概要

開発者は日本人で元DeNAの社員だった方です。

少子高齢化問題の解決などの社会貢献を考える中で健康寿命を伸ばすことが最大のソリューションだと考え、主食の完全栄養化に取り組むようになったそうです。

おいしい完全栄養食品作ること、そして米、パン、麺など主食部分を完全食に置き換えることなので、提供形態が自然な食品になっているのが特徴です。

提供形態

  • パスタ
  • パン

価格

  • パスタ: 4食 1,560円
  • パン: 8食 3,120円

All-in Pasta

概要

日清食品が開発した完全栄養食で、国内の完全食としては最後発のものになります。

1食に1日に必要な栄養素の1/3が含まれたパスタで、茹でて作るものをお湯を入れるだけでできる即席タイプのものが提供されている。

食事として量や食べごたえが十分にあり、本格的なおいしさを実現しているところがウリです。

大手食品メーカーが製造しているということもあり、安心感があります。

発売後すぐに完売してしまい、2019年4月9日現在では在庫がなく、予約注文のみ受け付けているという人気ぶりです。

提供形態

  • パスタ

価格

  • パスタ(麺のみ): 5食 1,750円
  • パスタ(ソースセット、簡単調理タイプ):1食 648円

まとめ

大手が参入したことで、その他のメーカーからも続々と新商品が発売されることが予想されます。普及も一気に加速するでしょう。

基本は完全食で済ませて、空いた時間を自分の好きなことに使い、栄養を摂るための食事ではなく、食べること自体を楽しみたいときに肉や魚や野菜を食べるというスタイルを取る人が増えてくるはずです。

問題は栄養素というものがまだ完全に解明されているわけではないということです。

例えば肉を食べた時に、まだ人間が認知できていない栄養素が体に取り込まれていて、それが健康を維持するために重要な栄養素である可能性も現時点では否定できません。

また、食事摂取基準が改訂されていることからもわかるように、現在わかっている人間に必要な栄養素というのも暫定版であるということです。

栄養や健康に関する最新情報を常にキャッチアップしつつ、カップ麺で済ませるよりはましというスタンスで適度に取り入れるのが良さそうです。